防災の知恵

本当に必要な防災グッズとは?|自宅避難用と持ち出し用を紹介

災害大国の日本で、防災への備えは不可欠です。しかし、「何を」「どれだけ」準備すればよいのか悩む方も多いはず。

今回は本当に必要な防災グッズと選び方、保管方法をご紹介します。

【自宅避難用】揃えるべき防災グッズリスト

まずは、自宅避難時に本当に必要な防災グッズをご紹介します。

飲料水、食料

飲料水食料の備蓄災害発生後、ライフラインの復旧には最低でも3日かかることが一般的です。そのため、最低3日分(一人9食分)の備蓄が推奨されています。

  • 飲料水:1人1日3リットルを目安に
  • 非常食:レトルト食品、缶詰、乾パンなど常温で保存可能なもの

調理しなくても食べられるようなものを中心に準備しましょう。

簡易トイレ

断水時に最も困るのがトイレ問題です。1人あたり1日5回の使用を想定し、最低1週間分(35回分)を準備しましょう。

  • 凝固剤入り簡易トイレ
  • 組み立て式トイレ
  • 使用済みトイレの保管用ゴミ袋

スマホの充電器

情報収集や安否確認に不可欠なスマートフォンの電源確保は重要です。

  • 大容量モバイルバッテリー(10,000mAh以上推奨)
  • 手回し充電器
  • ソーラー充電器

災害用調理器具

ガスや電気が止まった際の調理手段の確保が必要です。

  • カセットコンロ(予備のガスボンベ2〜3本)
  • 食品加熱袋
  • 紙皿割り箸
  • 鍋や調理器具

現金

電子決済が使えない状況に備え、現金を用意しておくことが重要です。

  • 小銭(100円、500円)
  • 千円札目安として最低1万円程度

懐中電灯などの照明器具

夜間の停電に備えた照明の確保は、心理的な安心感にもつながります。

  • 懐中電灯(予備電池も忘れずに)
  • LEDランタン
  • ヘッドライト
  • ロウソク
  • マッチライター

ゴミ袋

さまざまな用途に使える大型ゴミ袋は、必需品の一つです。

  • 45L以上の大きめサイズ最低1パック(10枚以上)
  • 丈夫な素材のもの透明や半透明のものも含める

【持ち出し用】揃えるべき防災グッズリスト

災害時、自宅避難が難しい状況も想定されます。避難所での生活に備え、すぐに持ち出せる防災グッズをまとめておくことが重要です。

飲料水、食料

食料(3日分)避難所でも物資が不足する可能性があります。

  • ペットボトルの水(500ml×6本)
  • カロリーメイトなどの栄養補助食品
  • チョコレートなどの糖分補給できるもの
  • アルファ米やクラッカーなど軽量な非常食

衛生用品、生理用品

避難所生活でも物資が足りなくなる可能性があります。

  • マスク(1日1枚×3日分)
  • ウェットティッシュ
  • ハンドソープ
  • 手指消毒スプレー
  • 生理用品(使い捨てタイプ)
  • 歯ブラシセット
  • タオル

スマホの充電器

避難所では充電設備が限られます。満足に充電できるよう、個人の充電器を持っていきましょう。

  • 大容量モバイルバッテリー
  • 充電ケーブル
  • 乾電池式の充電器(予備電池も)

医薬品

軽度のケガを処置できる救急セットや、常備薬を持っておきましょう。

基本的な救急セット(絆創膏、消毒液など)

  • 常備薬(お薬手帳のコピーも忘れずに)
  • 痛み止め
  • 胃腸薬
  • マスク
  • 体温計

現金や貴重品

自宅避難用同様、現金の用意が必要です。普段の財布とは別に、持ち出し用として小銭と千円札を中心に1万円程度用意しておくと安心です。

貴重品

緊急時は貴重品をすぐ持ち出す時間がないため、コピーを用意しておくのが安心です。

  • 身分証明書のコピー
  • 健康保険証のコピー
  • 印鑑
  • 家族の連絡先リスト

懐中電灯

避難所で暗い時間帯にトイレに行くときなどに、懐中電灯があると心強いです。

トランプなどの遊び道具

避難生活は娯楽がない期間が続くので、かさばらない遊び道具があると気分をリフレッシュできます。

  • トランプ
  • 簡単なゲーム
  • スケッチブックとペン
  • 読書用の本

状況に応じて必要なもの

例えば、乳幼児がいるなら抱っこひもや哺乳瓶、ペットと避難するならドッグフードやトイレシートというように、家族状況に応じて必要なものを用意します。

とりあえず揃えたい最低限の防災グッズ

「まだ防災グッズを揃えようと思わない」「今は最低限用意しておきたい」という人のために、とりあえず必要なアイテムをご紹介します。

自宅避難

  • ガスコンロ
  • 簡易トイレ

カセットコンロは、災害時の調理手段として最も信頼できる道具です。ガスや電気が止まっても、温かい食事を取ることができ、精神的にも安心です。

また、簡易トイレがあれば、配管が使えない状況でも衛生的にトイレを使用できます。

持ち出し用

  • 衛生用品
  • 生理用品

混雑した避難所では、マスクや消毒液の重要性が増します。また、生理用品は避難所では入手が難しいため、使い慣れたものを準備しておくことで不安やストレスを軽減できます。

防災グッズセットと単品購入どちらがよい?

災害への備えを始めようとすると、まず悩むのが防災グッズの購入方法です。一般的な防災セットと必要なものを個別に購入する方法とで、メリット・デメリットをみていきましょう。

セット購入のメリットデメリット

セット購入のメリット

  • まとめて揃えられる
  • リュックもついている
  • ◎◎用 をえらべる

セット購入のデメリット

  • 高い
  • いらないものが入っていることも

防災セットの最大の魅力は、必要最低限のアイテムがワンパッケージになっている点です。何を準備すべきか迷っている方や、防災への備えを始めたばかりの方にとって、わかりやすく安心です。また、持ち出し用リュックが付属している商品が多く、収納方法に悩む必要もありません。

しかし、セット商品には不要なものが含まれていたり、逆に必要なものが入っていないことがあります。購入する際は、内容をよく検討する必要があるでしょう。

単品購入のメリットデメリット

単品購入のメリット

  • 無駄がない
  • 好みで慣れたものを使える

単品購入のデメリット

  • 金額が高くつく可能性もある
  • いざというときに足りないアイテムがあるかも

単品購入の最大のメリットは、家族構成や生活スタイルに合わせて必要なものを必要な分だけ選べる点です。使い慣れた製品や信頼できるブランドから選べるため、品質面での安心感があります。消耗品の補充や期限切れ商品の入れ替えも、必要なものだけ効率的に行えます。

一方で、何が必要か、どの程度の数量が適切かを自分で判断する必要があり、防災の知識が少ない方には難しいかもしれません。単品購入の場合は、家庭に必要なものをよく知っておく必要があるでしょう。

保管場所も重要!すぐ取り出せる防災グッズの工夫

いくら必要な防災グッズを揃えても、災害時にすぐ取り出せなければ意味がありません。ここでは、効果的な防災グッズの保管方法をご紹介します。

備蓄品はパントリーに

飲料水や食料などの備蓄品は、パントリーや押し入れなど、家族全員が把握できる場所に保管するのが理想的です。賞味期限が古い順から使い、消費した分を買い足すことで常に一定量の備蓄ができます。

持ち出し用は枕元か玄関

持ち出し用のリュックは、避難の際に必ず通る玄関に置いておくのが基本です。また、非常用のスマホや貴重品は枕元に置いておきましょう。避難時にスマホを持ち、玄関の持ち出し用リュックに入れておけば最短距離で外に出られます。

防災グッズはどこで買う?初心者におすすめの購入先

防災グッズの購入を考えたとき、まず悩むのが「どこで買うか」という点です。実店舗とネット通販、それぞれに特徴があり、用途によって使い分けるのがおすすめです。

ネット通販

主なネット通販先

  • Amazon
  • 楽天市場
  • ヤフーショッピング

在庫や価格をすぐに調べられるうえ、重たい水や食料を自宅まで配送してもらえます。また、レビューで実際の使用感を確認できるのも大きなポイントです。特に備蓄用の防災用品は、ネット購入が便利でしょう。

実店舗

主な実店舗

  • ホームセンター
  • 家電量販店
  • ドラッグストア
  • コンビニスーパー

実店舗での購入は、実物を手に取って、サイズ感や重量、素材の質を確認できるのが最大のメリットです。特に持ち出し用バッグや懐中電灯などの使用感が大事なアイテムは、店頭で確認してから購入するのがおすすめです。

まとめ

防災グッズは「いざという時のために」ではなく、「いつか必ず使うもの」という意識で準備しましょう。最初は必需品から始め、徐々に充実させていくのも手です。