防災グッズを揃えようとすると「外出時はこんなものも必要?」「これがあれば安心?」といろいろ手に取りたくなってしまうもの。しかし、防災グッズには実際必要ないといわれるものもたくさんあります。
今回は、多くの人が防災グッズで必要ないと感じたものや、ものを無駄にしない工夫をご紹介します。
防災グッズでいらなかったもの9選
ここでは、防災グッズで実際はいらなかったという声が多いものを9つご紹介します。
コンパス
必需品と思われがちですが、実際の避難では近隣の土地勘や周囲の人からの情報が頼りになります。方角がわかっても具体的な避難経路の判断には役立ちにくいため、災害時はあまり役に立ちません。
ロープ
救助や応急処置用と考えて準備する人も多いですが、素人が使用すると危険です。救助・救援活動は専門家に任せ、自身の安全確保を優先させるのが得策です。
テント
避難所での使用を想定して準備する方もいますが、かさばるうえ使用機会は限られます。プライバシー確保が目的なら、軽量な間仕切りやシートで代用できます。
毛布
重くてかさばるうえ、持ち運びが困難です。代わりに軽量で折りたたみやすいアルミブランケットの方が実用的です。
ティッシュペーパー
ティッシュペーパーは便利ですが、使用人数が多いとごみがかさばります。水に溶けるタイプを使用すれば、ゴミを最小限にとどめられます。
手回しラジオ
電池不要という利点はありますが、長時間の使用は体力的に厳しいです。特に高齢者や子供には不向きで、通常の電池式の方が実用的です。
ろうそく
火災のリスクが高く、避難所では使用禁止の場合も。懐中電灯やLEDランタンなど、安全な照明器具を選びましょう。
インスタントラーメン
意外に思われる方も多いかもしれませんが、災害時は水すら手に入らないこともあります。水が手に入ったときのために少量用意するのはありです。
ヘルメット
台風や余震が続くような危険なときは、そもそも移動できないので使用機会が限られます。避難所への移動後、余震が気になるなら折りたたみヘルメットを用意するのがおすすめです。
災害時に必要な防災グッズとは
災害時に必要な防災グッズを、以下にまとめました。
飲料水と食料 | それぞれ最低3日分(一人9食分) |
災害調理器具 | カセットコンロとガスボンベ、割り箸、皿に敷いて使うラップなど |
常備薬、お薬手帳 | 絆創膏、痛み止め、胃腸薬など |
衛生用品、生理用品 | マスク、手指消毒スプレー、ナプキンなど |
電池式の製品 | ラジオ、モバイルバッテリーなど |
現金 | 小銭や千円札を3万円程度 |
支援物資が届くまでに時間がかかることを考慮し、消耗品は最低でも3日分用意しておきます。また、電気が使えなくなると電子決済ができないため、現金を用意しておくことも忘れずに。
以下の記事では、防災に防災に必要なグッズをさらに詳しくまとめています。
状況別の防災グッズ
赤ちゃんがいる場合
赤ちゃんがいる場合は、食事や衛生用品、遊べるおもちゃを用意しておきます。哺乳瓶は使い捨て用を買っておくと、消毒する必要がありません。
- おむつ
- ミルク
- 哺乳瓶
- 離乳食
- 抱っこ紐
- おしり拭き、ゴミ袋
- おもちゃ
高齢者がいる場合
高齢者がいる場合は、大人用おむつや常備薬、入れ歯洗浄剤など、普段使っているものを防災リュックに入れておきましょう。杖は玄関の分かりやすいところに置いておき、外出時にスムーズに持ち出せるようにします。
- 大人用おむつ
- 杖
- 常備薬
- 入れ歯洗浄剤
- 補聴器
ペットがいる場合
支援物資は人間優先で配られるため、ペットの防災グッズは確実かつ多めに用意しておく必要があります。
- ペットフード、水分(最低5日分)
- キャリーバッグ、ゲージ
- 首輪やリード
- トイレ用品
- お薬
夏は暑さやニオイ対策
夏の災害では、冷房が使えなくなるため暑さ対策や熱中症対策が重要となります。また、使った衛生用品がニオイのもととなるため、防臭袋も用意しておくと安心です。
- ハンディ扇風機
- 塩飴や塩分タブレット
- 汗拭きシート
- 防臭袋
冬は防寒グッズ
2011年3月に起きた東日本大震災では、停電が80%復旧するまでに3日かかりました。寒さ対策アイテムはもちろん、車のガソリンを日頃から満タンにしておくように心がけることも防災となります。
- アルミ製防寒シート
- 使い捨てカイロ
- 石油(灯油)ストーブ
- 車のガソリン
防災グッズを無駄にしない方法とは
防災グッズを買い揃えたのはいいものの、賞味期限や使用期限の管理も大変という人も多いでしょう。防災グッズを無駄なく使うには「ローリングストック」の方法がおすすめです。
ローリングストックとは、普段から使うものを多めに買っておき、使った分だけ買い足しておく方法です。アイテムの在庫が常に一定のため、備蓄品が無駄になることはありません。
非常食や飲料水、乾電池など、期限のあるものはローリングストックを活用しましょう。
まとめ
防災グッズは「あれもこれも」と増やすのではなく、本当に必要なものを見極めることが大切です。特に、持ち運びの負担になる大きなものは慎重に選び、ローリングストックで無駄なく活用する習慣をつけましょう。
最小限の備えで最大限の安心を確保することが、実践的な防災につながります。