防災の知恵

自宅にある非常食になるもの9選|用意する量やポイントも紹介

「そろそろ災害への備えをしたい」「でも、どんな非常食を用意すればいいの?」と考える人も多いでしょう。実は、非常食として特別なものを用意しなくてもよく、自宅にあるものや食べ慣れた食品で備えることができます。

この記事では、自宅にある非常食になるものや、準備のポイントを解説します。

自宅にある非常食になるもの9選

非常食としてわざわざ特別なものを買い揃えなくても、いつも家庭で使っている食品を活用できます。すぐに始められる防災対策として、まずは自宅の食品棚を見直してみましょう。

缶詰

缶詰はフルーツからサバ、焼きそば、スープまで、種類が豊富で長期保存が可能なのが魅力。火を使わずに栄養バランスのよい食事ができるうえ、開けてすぐ食べられる手軽さもポイントです。

とくに、魚介系の缶詰は良質なタンパク質が含まれているため、非常時にも必須栄養素を効率よく摂取できます。

レトルト食品

カレーや肉じゃがなどのレトルト食品は、普段から親しみのある家庭の味が楽しめるのが特徴。水分を含んでいるため、夏場の脱水予防にも役立ちます。

日持ちが長く日常使いもできるので、使用期限が迫ったらそのままその日の献立として活躍します。

インスタント食品

味噌汁やカップラーメンなどのインスタント食品は、お湯を注ぐだけですぐに食べられる便利な保存食。とくに、温かい汁物は体温を上げる効果があります。

普段から食べ慣れた味は災害時の不安な気持ちを和らげ、心の支えにもなります。

乾麺

実は、うどんやそば、パスタなどの乾麺は、お湯がなくても食べられる優れもの。水につけておくだけで柔らかくなり、食べられる状態に。

かさばらず長期保存が可能で、日常的に使用する機会も多いため備蓄しやすい食材です。

乾物(切り干し大根、のり、わかめなど)

切り干し大根、のり、わかめなどは水で戻すだけで食べられ、マグネシウムや食物繊維も豊富。インスタント食品に加えるだけで、不足しがちな栄養素を簡単に補えます。

かさばらず収納スペースを取らないうえ、長期保存できる便利な非常食です。

野菜ジュース

野菜ジュースは、災害時でもビタミンや食物繊維を手軽に摂れる優れもの。普段から飲み慣れているものなら、食欲のないときやお子さんでも無理なく摂取できます。

少量パックをまとめ買いしておけば、紙コップを無駄に消費することもありません。

魚肉ソーセージ

魚肉ソーセージは、災害時に摂りにくいタンパク質を手軽に摂取できる便利アイテム。子どもから高齢者まで食べやすく、開封してそのまま食べられるため調理もいりません。

日持ちもよく、普段のおやつやお弁当のおかずとしても活用できます。

おでんパック

おでんパックは、大根や卵、練り物などさまざまな具材を楽しめるのが魅力。温めなくてもそのまま食べられ、汁物としても活用できるため、脱水予防にも効果的です。

一度に複数の食材が摂取できるため、非常食のマンネリ化を防ぎます。

バランス栄養食

クッキーやプロテインバー、スープなどのバランス栄養食も災害時に役立ちます。一食分から気軽に食べられるうえ、コンパクトなので携帯用の非常食としても活躍します。

少量でも必要な栄養素を補えるため、準備しておくと安心です。

こんなものも非常食になる!

「非常食として何を用意すればいいか分からない」「食べられるものが限られている」という人もいるでしょう。ここまで紹介した食品以外でも、ポイントを押さえれば非常食として活用できます。

不足しがちな栄養素を補えるもの

フルーツゼリーやコラーゲンゼリー、ビタミン入りのグミなど、手軽に栄養補給ができる市販品も便利です。災害時は食べられるものが必然的に限られるため、栄養が偏りがちです。ビタミンやミネラルが入ったゼリーやグミは、食欲がない時でも手軽に摂取でき、高齢者や子どもにも食べやすい形状です。

普段から常備している人も多く、非常食としても活用しやすいアイテムです。

常温で日持ちするもの

クラッカーやビスケットのような常温で日持ちするものは、非常食としてベストです。保存期間が長いものは、賞味期限チェックの手間を最小限に抑えられるのもメリット。

普段使いできる食品なら、無理のない備蓄が可能です。

調理工程が少ないもの

調理器具や熱源がいらない食品なら、どんな状況でも確実に食事を確保できます。たとえば、近頃はおいしく食べられる缶詰製品が増えており、焼きそばや味付き肉などラインナップが豊富です。

「開けるだけ」「水を注ぐだけ」といった、手間のかからない食品を選んでおくことがポイント。

普段から食べ慣れているもの

いつも食べているレトルト食品やお菓子は、実は非常食としてポイントの高い食品です。災害時は精神的なストレスや不安から食欲が低下しがちですが、普段から親しんでいる味なら安心して食べられます。

日常的に使用している食品を少し多めに買い置きする習慣をつけていれば、自然と備えにつながります。

非常食は何食分用意すればいい?

非常食は、最低でもライフラインが復旧するまでの3日分は必要といわれています。余裕があれば1週間分を用意しておくと、どのような災害に遭っても安心です。

非常食を用意するなら、最低でも3日×家族の人数分を準備しましょう。

大人1人あたりの目安量はこちら(※1)

1日分3日分
飲料水3リットル9リットル
ご飯(アルファ米)3食9食
缶詰2〜3缶6〜9缶
レトルト・インスタント食品2〜3種類6〜9種類
好きなお菓子適量適量

※子どもは大人の半分~2/3の量を用意しましょう。

飲料水は、調理用と合わせて3リットル必要といわれています。赤ちゃんがいるご家庭では、ミルク作りのために多めに用意しておきましょう。

災害時はストレスで食欲が落ちる人もいるため、好きなお菓子を用意しておくことで栄養補給やリラックスにつながります。

(※1)参考:山北町「非常食は何日分必要?」

まとめ

非常食は特別なものを新たに用意する必要はなく、普段使っている食品を少し多めに常備するだけでも防災につながります。レトルト食品や缶詰、乾物などを中心に、自分や家族の好みに合わせて選びましょう。